AQUAWINGSは「風景との調和」を大切にデザインされました。研修や会議を行う室もガラスで仕切られていますので、音は遮蔽しても湖畔や森への視界は妨げられることはありません。人々が心地よい自然との一体感を楽しむことができるように工夫されています。照明計画においても、景観の妨げとなる不必要な光は徹底的に排除された計画となっています。さらに各階諸室の、自然環境をモチーフとしていながらも各々異なったデザインコンセプトに合わせて、湖面のきらめきや森の木陰を表現した器具による周辺の自然環境との同化も図られています。建物中央に位置するアトリウムには、トップライトからの直射日光を活用し、まるで木陰に居るかのような木漏れ日が描かれています。このエリアの照明装置は、DALIによる個別制御を活用して、昼光の状態に応じた適切調光がなされています。そして、周辺が闇に消える夜は人工的な光で湖面のきらめきや木漏れ日を創り上げていますので、昼間の景観の余韻を楽しむことができます。さらに、夜のみに出現する間接照明が大胆な曲線で構成された建物形状を強調させ、昼間にも劣らない視覚的なインパクトで空間が演出されています。この間接照明は狭いボードの隙間に納められているので、消灯している昼間には器具の存在自体も目につきにくく、ゆえに景観上の違和感も生じません。消灯している状態にも意味を見出した照明計画がなされているのです。